PCBの銅箔1ozとは?35μmになる理由をやさしく解説
― 「分からない言葉」を一つずつほどくと、材料のつながりが見えてくる ―
PCBでよく使われる「1oz銅箔」とは何か。1ozが約35μmになる理由と、銅箔厚さ・電流・加工性の関係を初心者にも分かりやすく解説します。
1.まず「1oz」は重さの単位
PCBの銅箔で「1oz」「1オンス」という表現を見かけます。これは、銅箔の厚さを直接表す単位ではなく、1平方フィートの面積に銅を載せたときの質量を基準にした呼び方です。
銅の密度から換算すると、1oz/ft²の銅は厚さ約35μmになります。実務では「1oz≒35μm」と覚えると分かりやすいですが、製品仕様や規格では実際の厚さ公差まで確認する必要があります。
2.なぜ厚さを「oz」で呼ぶのか?
銅箔は、単に「何μm」とだけ管理されてきたわけではありません。PCB業界では、銅の重量と厚さが対応するため、1oz・2ozなどの呼び方が広く使われています。
ただし、ozとμmは同じ種類の数字ではないことがポイントです。ozは面積あたりの質量、μmは長さとしての厚さです。
3.なぜ厚い銅箔が必要なのか?
銅箔を厚くすると、一般に大きな電流を扱いやすくなります。一方で、エッチングや微細配線との両立、加工性、基板厚さなど別の課題も出てきます。
つまり「厚ければ高性能」ではありません。高密度配線では薄い銅箔が有利な場面があり、電源系では厚い銅箔が有利な場面があります。
4.なぜ9μmのような薄銅箔が必要になるのか?
高速・高密度PCBでは、微細配線を形成するために薄い銅箔が使われることがあります。9μmは0.009mmで、非常に薄い領域です。
しかし薄くするほど、厚さ均一性、平坦性、端部、表面状態、搬送性などの管理が難しくなります。だから以前の記事で見たように、「9μmを作れる」と「9μmを安定して量産できる」は別の問題なのです。
5.1ozという数字から、材料の世界を広げる
1ozを調べると、銅箔の厚さだけでなく、電流容量、微細配線、エッチング、表面粗さ、CCLまで話がつながります。
まとめ
- 1ozは銅箔の厚さそのものではなく、面積あたりの銅の質量を表す呼び方。
- 1oz銅箔は厚さ約35μmが目安だが、実際の仕様では公差や製品条件を見る。
- 厚い・薄いにはそれぞれ用途があり、「厚ければ良い」ではない。
検索で一つの言葉を調べたら、そこで終わらず「なぜそれが必要なのか?」まで一歩だけ掘ってみる。電子材料は、その一歩で別の用語とつながり始めます。